それでも東京にしがみつきたい

私はとにかく、兄のことが嫌いだ。

詳細なことは書けないけど、そこそこひどいことをされていたから。

2ヶ月半の休職期間で、ただでさえない貯金が底を尽きてしまった。
たった29,116円の傷病手当金が振り込まれたときには、死ねって言われているのかと思った。
(働いていないのは私だし、私が全部悪いし、もらえるだけありがたいのもわかってる)

家賃が払えないので、実家に帰ることになった。

実家には、兄が住んでいる。

私はとにかく、兄のことが嫌いだ。

周りの大人は「あなたの健康が何より大切」「とりあえず休んだ方がいい」なんて簡単にいうけれど、何もかも忘れて心の底から休める場所なんてないんだよ。
ひとりで暮らすにはお金が必要だし、お金を気にしないですむよう実家で暮らそうとしたら身体的な危機が迫る。

少し我慢さえすれば帰れる場所がある、それだけでも十分恵まれていることはわかってる。

それでも、私はとにかく、兄のことが嫌いだ。

実家を離れる前の私は、とにかくこの家から出ること、東京で一人暮らしをすることだけをモチベーションに生きていた。
当時はまだアル中の父親も存命していたし、この家にいたらいつかこのまま死んでしまうんだろうな、と思っていた。

多分、あの家を離れることさえできれば別に東京である必要はないんだろうけど、賑やかで、余計なことを考えなくてすみそうな、都会に憧れていた。

あの頃の私へ。
8年後にはわざわざ自分からその家に戻ることになるよ。

1年も実家で過ごせば、簡単に100万くらい貯まるんだと思う。
借金だって毎月今まで以上に返せる。
別にフルリモートで働けるし、「実家帰ればいいじゃん〜」って色んな人に何回も言われた。

それでも私はきっとまた、東京に戻ってくるんだと思う。

自分の尊厳を守るために。

どれだけ嫌がったところで人生どうにもならないこともある、と学んだ24歳の終わりでした。

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